Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.970 Zeichen · 48 Bildschirme
一也は秀才であった。利巧な母と姉にくらべて、この秀才の弟が生れたことは自然であるが、正司だけは不思議に出来が悪い。世間から見れば、バカという程ではないのであるが、この家族の中ではバカが目立つ。一也は兄をバカ扱いである。そこで、その嫁の咲子もバカ扱いだ。いつも皮肉な薄笑いでニヤリ、ジロリと見て、ソッポをむく。それは言葉で皮肉られるよりも、むしろ腹の立つ仕打ちであった。
その一也が、話のハズミで、実に事もなく、自分の家の呪われた血をバクロしたものだ。まるで自分には関係がないように。
未亡人の亡夫浅虫権六は病死となっているけれども、実は自殺したのであった。その自殺もタダの自殺ではなかった。彼は自分が癩病であることを知った。癩の徴候が現れたのを、ひそかに気附いたのである。彼はいろいろ癩について調べたあげく、自分がまさしくその病人の一人であることを確信せざるを得なかったのである。ついに彼は、発狂して、自殺した。しかも、その自殺の悲惨なること。彼は自ら刃物をふるって、自分の癩の徴候の部分の肉をえぐり、皮をはいだ。自らの額の皮までそぎ落したのである。そして、腹を一文字にさいて、自殺した。