Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.134 Zeichen · 43 Bildschirme
貧民窟というものは、なんとまア子供が多くて、色々様々な雑音騒音狂音がわき立っているところであろうか。ドブの匂いを主にして甘い匂いも焦げる匂いもボロの匂いも小便の匂いも、実に複雑な匂いにみちたところでもある。ここでは知らない者がみんな闖入者であり、異端者であり、誰でもジロジロ見られたり、わざと無関心にソッポをむいたりされるのだった。どの家もみんな同じだ。家の構えだけがそうではなくて、家の内部に在る物はチャブ台代りがミカン箱であるし、家毎に干してある物は同じボロで、それがオシメであるかシャツであるか見分けのつかないような全てが同じ物だ。狭い路地の、どうしても干し物のシズクをかぶらずに通れないような道の隅に必ず朝顔だのヒマワリが植えてあるのもみんな同じことである。そしてどの軒にも決して表札がないのである。この町内へもぐりこみ訪ねてくるのは巡査とか借金取りとか、どうせロクでもないものに限っているから、表札なぞというものほど無役有害なものはないのである。
方角は駒子からきいてきたのだが、どうして、どうして、この土地の概念を持たないものが世間並に方角などきいてきたって役に立ちやしない。