Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.134 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

出発がきまったから、正二郎は松嵐の店を訪ねて、長々お世話になりましたが、いよいよ松前へたつことになりました、と挨拶すると、お米に目顔でサイソクされて顔を見合せていた両親。やがて父の清作が態度を改めて、

「追われ追われて北の果まで逃げても、逃げきれるものではない。あの連中に別れてこの土地に住みついてはどうだね。お前さんがその気なら、娘の聟にもらってもいいが」

と云う。

そこで正二郎も考えた。今さら江戸へ戻ることもできないが、さればといってイタチ組と一しょにいる限りは、およそ性に合わない無銭遊興、押込強盗、ヤケ酒の生活から遁れることができない。末はどこかで窮死するか殺されるか、それも遠い先の運命ではなさそうだ。江戸に残してきたお久美には気の毒だが、今となっては仕方がない。お久美だって敵軍のために今頃はどうなっているか知れたものではない。ままよ。ここは思いがけない話を幸い、うまい口実をかまえてイタチ組から離れたいものだが、と考えた。

しかし臆病な男のこと、口実をかまえて言いだす気力がない。いよいよ船にのる。船がうごきだす。必死の思いはさすがのもので、

「ムムムムム……」