Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.134 Zeichen · 43 Bildschirme
正二郎夫婦は赤の他人夫婦であって、お源はその母親にすぎないのである。そこは家庭ではなくて工場であった。正二郎一家はその職工で、彼のために金をかせぐが、その金は彼だけのもので、職工に与うべきものではなかった。彼自身の家庭は他にあって、そこには若い二号と、その腹にできたマギレもない彼の子供がいたのである。彼はその子供に死後の全ての財産を与えるという遺言状を書いて二号に与えたという取沙汰があった。
こう赤の他人扱いを受ければ、うけた一族は結束しそうなものだが、アベコベだ。その原因がみんな正二郎にあるかのように、彼はお源母子からさらに赤の他人扱い、否、下僕扱いをうけた。女房とその母はサシミだの天プラだの色々の御馳走をならべて食ってるが、亭主の膳についてるのはイワシの煮つけか干物だけ。朝は正二郎を早く起して、ああしろ、こうしろと指図をすますと、お米とお源はフトンをひッかぶっておそくまで寝ている。
そのうちに、旅絵師の松川花亭という若いニヤケた男がフラリと来て、この家に住みついてしまった。以前にもここに厄介になったことがあるらしく、お米は旅から戻った亭主をむかえるようなナレナレしさ。