Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
むかしのかじ
昔の火事
宮本 百合子
Lesen Sie 昔の火事 (むかしのかじ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.494 Zeichen · 21 Bildschirme
共にわかとうとする笑い顔で、こんなに完全な形で竈がのこっていることは珍しいんです、と額の汗をシャツの腕で気持よさそうに拭きながら云った。ここに、ホラ、底のぬけた甕がさかさにしておいてあるでしょう。これは竈で炊事するとき甕の台につかったものですね。こんな時代にも、やっぱり廃物利用をしたんですね、と笑った。竈の前の踏みかためられた赭土のところを手で払うようにして調べて、井上は、ある、ある、ね、と中学生に示した。これが籾と藁の圧痕ですよ。この竪穴の時代にもう農作がされていたんですね。沢の方に水稲をつくっていたのかもしれない。
尻っぱしょりになって跼みこんでそこの地点をのぞいていた猛之介の心には、一種の失望とともに侮蔑に近い感情が湧いた。なーんのことだ。大昔の百姓の穴小屋をほじくりかえしているのか。そんなら、大したものは出っこない。今だって東北のひどいところへ行けば、土間に藁をしていて寝ているという話だ。そんなところから、金めな代物なんぞ出ようもないことは知れきっている。猛之介は穴から外へ出ながら、どれもあらかた同じようなものですかな、と云った。剣だの何だのというものは、ここいらからは出ないかな。