Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
と思うと、五体を取って緊附けられる心地がした。
十五
けれども、まだ幸に俯向けに投出されぬ。
「触らぬ神に祟なし……」
非常な場合に、極めて普通な諺が、記憶から出て諭す。諭されて、直ぐに蹈出して去ろうとしたが……病難、危難、もしや――とすれば、このまま見棄つべき次第でない。
境は後髪を取って引かれた。
洋傘を支いて、おずおずその胸に掛けた異形の彫刻物をまた視めた。――今しがた、ちぎれ雲の草を掠めて飛んだごとく、山伏にて候ものの、ここを過った事は確である。
確で、しかもその顔には、この鬼の面を被っていた。――時に、門口へ露われた婦人の姿を鼻の穴から覗いたと云うぞ。待てよ、縄張際の坂道では、かくある我も、ために尠からず驚かされた。
おお、それだと、たとい須磨に居ても、明石に居ても、姫御前は目をまわそう。
三造は心着いて、夕露の玉を鏤めた女の寝姿に引返した。
「鬼じゃ。」
試みに山伏の言を繰返して、まさしく、怯かされたに相違ないと思った。
「鬼じゃ。……」
と一足出てまた呟いたが、フト今度は、反対に、人を警むる山伏の声に聞えた。勿れ、彼は鬼なり、我に与えし予言にあらずや。