Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
婦がその私の手首を、こう取ると……無意識のようじゃありましたが、下の襟を片手で取って、ぐいと胸さがりに脇へ引いて、掻合わせたので、災難にも、私の手は、馥郁とものの薫る、襟裏へ縫留められた。
さあ、言わないことか、花弁の中へ迷込んで、虻め、蜿いても抜出されぬ。
困窮と云いますものは、……
黙っちゃいられませんから、
(御免なさいよ。)
と、のっけから恐入った。――その場の成行きだったんですな。――」
「いかにも、」
と先達は、膝に両手を重ねながら、目を据えるまで聞入るのである。
「黙っています。が、こう、水の底へ澄切ったという目を開いて、じっと膝を枕に、腕に後毛を掛けたまま私を見詰める。眉が浮くように少し仰向いた形で、……抜けかかった櫛も落さず、動きもしません。
黙っちゃいられませんから、
(気がついたんですか。失礼を、)
まだ詫をする工合の悪さ。でも、やっぱり黙っています。
(気分はどうなんです。ここに倒れていなすったんだが。)
これで分ったろう、放したまえ、早く擦抜けようと、もじつくのが、婦の背を突いて揺るようだから、慌ててまた窘まりましたよ。どこを糸で結んで手足になったか、女の身体がまるで綿で……」