Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
何の、火は赤々とあって、白魚に花が散りそうでした。
やっと煙のような煙を吸ったが、どうやら吐掛けそうで恐縮で、開けた障子の方へ吹出したもんです。その煙がふっと飛んで、裏の峰から一颪颯と吹込む。
と胸をずらして、燈を片隅に押しましたが、灯が映るか、目のふちの紅は薄らがぬ。で、すっと吸うように肩を細めて、
(おお、涼しい。お月様の音ですかね、月の出には颯といってきっと峰から吹きますよ。あれ、御覧なさいまし。)
と燈を背に、縁の端へ仰向いた顔で恍惚する。
(栗の林へ鵲の橋が懸りました。お月様はあれを渡って出なさいます。いまに峰を離れますとね、谷の雲が晃々と、銀のような波になって、兎の飛ぶのが見えますよ。)
(ほとんど仙境。)
と私は手を支いて摺って出ました。
(まるで、人間界を離れていますね。)
……お先達、私のこう言ったのはどうです。」
急に問われて、山伏は、
「ははあ、」
と言う。
二十五
「驚駭に馴れて、いくらか度胸も出来たと見え、内々諷する心持もあったんですね。
直ぐには答えないで、手捌きよく茶を注いで、
(粗いんですよ。)
と言う、自分の湯呑で、いかにも客の分といっては茶碗一つ無いらしい。