Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
(姉さんは。)
(いいえ、沢山、私は卑いようなけれども、どうも大変にお肚が空いたよ。)
とお肴兼帯――怪しげな膳よりは、と云って紫の風呂敷を開いた上へ、蒔絵の蓋を隙かしてあった。そのお持たせの鮎の鮨を、銀の振出しの箸で取って撮んだでしょう。
(お茶を注して来ましょうね。)
と吸子を取って、沓脱を、向うむきに片褄を蹴落しながら、美しい眉を開いて、
(二人で置くは心配ね。)
と斜めになって袖を噛むと、鬢の戦ぎに連立って、袂の尖がすっと折れる。
貴婦人が畳に手を支き、
(お盃をしたのは貴女でしょう。)
(ですから、なおの事。)
と言い棄てて袂を啣えたまま蓮葉に出ました。
私はとなった。
が、ここだ、と一番、三盃の酔の元気で、拝借の、その、女の浴衣の、袖を二三度、両方へ引張り引張り、ぐっと膝を突向けて、
(夫人。)と遣った――
(生命に別条はありませんでしょうな。)
卑劣なことを、この場合、あたかも大言壮語するごとく浴せたんです。
笑うか、打つか、呆れるか、と思うと、案外、正面から私を視て、
(ええ、その御心配のござんせんように、工夫をしていますんです。)
と判然言う。