Japanische Klassiker mit Furigana
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せいざ
星座
有島 武郎
Lesen Sie 星座 (せいざ) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.460 Zeichen · 235 Bildschirme
その呪いの的になる人は時々変りはしたけれども、どういうものかおせいは貧乏籤をひいた。露ほどの覚えもないことをひがんで取って、奥様一流の針のような皮肉で、いたたまれないほど責めさいなむのだった。これが嵩じると自分までヒステリーのようになって、暇を取ったくらいでは気がすまないで、面あてに首でも縊ろうかと思う時さえあった。さらにそれにも増していやらしかったのは旦那様の淫らなことだった。奥さんの目褄を忍んでその老人のしかけるいたずらはまるで蛇に巻かれるようだった。それをおせいは軽く受け流して逃げなければならなかった。誰に訴えようもないような醜いことだった。さらにさらに、それにも増して苦しかったのは、若様といわれるその家の長男の情けだった。その人は誰が見ても綺麗な男というような人だ。おまけに旦那とはうらはらに、上品で、感情の強い人で、家の人たちには何んとなく憚られているらしかった。淋しい感じの人だ。おせいは住みこんだ時からこの若様という人に惹き寄せられた。朋輩がその人の噂を好いたらしくするのを聞くと、心がひとりでにときめいて、思わず顔が紅くなった。けれども何を思っても及ばないこととしてすっかり諦めていた。