Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はるさきのあさのこと

春さきの朝のこと

小川 未明

Lesen Sie 春さきの朝のこと (はるさきのあさのこと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.951 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

「そう、けさ、ついたばかりさ。しかし、花をこうして、二度見られるとは思わなかったよ。」

おじさんは、私を見て、ほほえみました。

「きみ、学校は何年生になったの。」

「五年生。」

「そうかい、ほんとうに、子どもだけは、いいな。」と、おじさんは、いいました。

「どうして、子どもだけがいいの。」と、私は、聞きかえしました。

「きみ、ちっと、ここへかけない。」と、おじさんは、かきねの外がわの、切り石の上へ、自分がさきに腰をおろしました。けれど、私は、その前に立って、おじさんの顔を見ていました。

「子どもを、すきなわけを話そうかね。それは、どこへいっても、子どもは、しょうじきで純真だからさ。こちらへ、帰ってみて、おどろいたのは、だれにあっても、こせこせして、顔にやさしみというものがない。戦争前までは、あれほど、礼儀正しかったのがと、なにかにつけ、昔が思いだされてなさけなくなる。戦争は、形のあるものを焼いたりこわしたり、したばかりでなく、人間の心の中まですさましてしまったのだ。いま、ここに立っているちょっとのあいだも、いやなことばかりだよ。」と、おじさんがいいました。

私は、いまと聞いて、どんないやなことが、あったのか、知りたかったので、