Japanische Klassiker mit Furigana
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はるのかれは
春の枯葉
Lesen Sie 春の枯葉 (はるのかれは) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.648 Zeichen · 48 Bildschirme
野中の妻、節子、大きいお皿二つを捧げてはいって来る。一つのお皿には刺身、一つのお皿には焼き肴。
(野中) やあ、来た、来た。おう、こりゃまた豪華だね。多すぎるぞ、これあ。
(節子)(にこりともせず、食卓の上を片づけて、その二つの皿を置き)これで、全部でございます。
(野中) 全部? (顔を挙げて、節子の顔を見る)お母さんは? 食べないのか?
(節子)(まじめに)あの、わたくしどもは、ごはんはもう、すみました。
(野中)(憤然と)そうか。(矢庭に食卓をひっくりかえす)久しぶりの平目じゃないか。お母さんにも、お前にも、みんなに食べてもらいたくて買って来たんだ。それを、なんだ。きたないものみたいにして、気味のわるいものみたいにして、一口も食べてくれないとは、あまり、あんまり、ひどいじゃないか。(泣き声になる)
節子、無言で、その辺に散らばった肴を皿の上に拾い集める。
(野中) やめろ! 拾うのは、やめてくれ。それは皆、捨てちまえ! 拾い集めてもらって、また食べるなんて、あまり惨めだ。惨めすぎる。少しは、こっちの気持も察してくれよ。(上衣の内ポケットから、白い角封筒を出し、節子の手もとにほうってやって)まだ、七、八百円は残っている筈だ。