Japanische Klassiker mit Furigana
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はるのとうぞく
春の盗賊
Lesen Sie 春の盗賊 (はるのとうぞく) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.212 Zeichen · 58 Bildschirme
聖グレゴリーも、善行について同様な意見であることを述べているようじゃ。」と、しみじみ気を腐らし、歎息をもらしている。ウエークフィルドの牧師ほどの高徳の人物でさえ、そうである。いわんや私のごとき、無徳無才の貧書生は、世評を決して無視できない筈である。無視どころか、世評のために生きていた。あわれ、わが歌、虚栄にはじまり喝采に終る。年少、功をあせった形である。どうも、自分の過去の失態を調子づいて罵るのは、いい図ではない。いやらしくないか。悔いあらための、いまは行いすました悟り顔、救世軍か何か。似ているぞ。また、叱られた供奴の、頭かきかき、なるほどねえ、考えれば考えるほど、こちとらの考え浅うござんした、えへっへっへ、と、なにちっとも考えてやしない、ただ主人への御機嫌買い。似ていないか、似ていないか、気にかかる。
似ていない。ちっとも、似ていない。全然、別種のものである。私は自身で行きづまるところまで実際に行ってみて、さんざ迷って、うんうん唸って、そうしてとぼとぼ引き返した。そうして、さらに重大のことは、私の謂わば行きづまりは、生活の上の行きづまりに過ぎなかったという一事である。