Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんかしゅうとうりょうりおうこくじょにかえて
春夏秋冬 料理王国
北大路 魯山人
Lesen Sie 春夏秋冬 料理王国 (しゅんかしゅうとうりょうりおうこくじょにかえて) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.328 Zeichen · 18 Bildschirme
カニが目玉をつき出してさがしても、なかなかエモノは手にはいらぬ。そこでカニは、ひもじい腹をかかえやせる。月夜のカニはやせてまずいと、人はぼやく。かと思うと、月夜に、海の底から砂地に這上って、砂に卵を産みにくる海がめもいる。魚や、貝だけではない、海底や岩上には緑、茶、紅などの、色さまざまな藻類が波のまにまにゆれている。
人間たちは、このかぎりなく広い深い海の底から、幾ひろの波の間から、魚を、貝を、藻を採って食う。最初になまこを食った人間はどんな人間だったろう。おそらくその人間は、あのグロテスクななまこをしばしば眺めていたことであろう。食おうと決心して、まず最初にこれを食った祖先は、歴史家たちが、むりにでっちあげた英雄よりも、愉快な人間であったと思える。
なんでも、生きているものは美しい。そして戦っている生活は新鮮である。海に生きているイカたちを見よ。イカは白い、などという御仁は、イカを知らぬ人だ。イカは決して白くはない。あれは、腐りかけているイカの死がいだ。イカは透きとおっている。透きとおっているばかりではなく、その体に燐光のような光をおびて、レースのハンカチで口もとをおさえている貴婦人のようにしなやかに泳いでいるのだ。