Japanische Klassiker mit Furigana
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チュンタオ
春桃
宮本 百合子
Lesen Sie 春桃 (チュンタオ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.868 Zeichen · 22 Bildschirme
彼は息をふきかえした。二日経って、春桃が商売からかえると、部屋からとび出して来る向高の姿を見た。
「あんた、帰ったのかい……」春桃の頬を涙が流れた。
「おれは、もう向哥と相談して、そうきめたよ、あの人が戸主で、わたしは同居人だ」
瓜棚の下で、又商売の話が賑やかに始められた。彼等の廂房に、戸口証が貼られた。戸主劉向高、妻劉代。李茂はもうぐっすり眠っていた。天の川はすでに低くなっていたからである。晩香玉の香の高いひっそりとした暗やみの中で、かすかに「女房や」と云いかけるのと「聞きたくもない。わたしはあんたの女房じゃないよ」という答えが聞かれた。
こういう風趣の作品を書いた作者落華生が、コロンビア大学、オクスフォード大学に遊学して、専門は印度哲学の教授であるというのは面白い。余技のように作品を書いて来ていて、初めの頃は異国情調や宗教的色彩の濃いロマンティシズムに立つ作品であったという人が、一九三四年七月の『文学』にこの「春桃」を発表した。
新しい中国の知識人として、彼が享けた西欧の教養が、初めは漫然とヨーロッパ文明に対する東洋というものを意識させ、彼の作品が余技であれば尚更のこと異国情調という程度に止っていたのだろう。