Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんせつのでわじのみっか
春雪の出羽路の三日
喜田 貞吉
Lesen Sie 春雪の出羽路の三日 (しゅんせつのでわじのみっか) von 喜田 貞吉 (きたさだきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.521 Zeichen · 33 Bildschirme
同君は昨年帰郷後、祝融の災にかかられて、多年蒐集の史料までも少からず焼いてしまわれた。親しくそのお見舞も申したい。かたがた今回は羽後まで足を伸ばそうと、早速御都合を伺うとぜひ出て来いと言われる。その交渉に手間取って、やっと二十七日の東京上野駅発の夜の急行で出発した。
東海道線とは違って奥羽線の二等室はゆっくりしている。寝室を取らずとも楽々と足を伸ばして、大宮駅のあたりから眠りにつき、白河・福島も夢の間に過ぎて、目が覚めたのはすでに奥州と羽州の境界たる板谷峠をも越えた後であった。窓外を見ればまだ夜が明けぬながら、なるほど雪が深いらしい。さすがに出羽だと思った。米沢・赤湯あたり、平地の開けた所見渡す限り広々と雪の原だ。それが不思議にも山形に近づくとほとんどなくなっている。山形で下車して有吉君に行程のことを電話し、次の列車に乗りかえて北に進む。天童・神町・楯岡以北、まただんだんと雪が多くなっている。平地では約二尺、線路の両側に掻き上げた所では、八尺くらいの高さの所がある。民家の屋の棟から掻き落した雪は家を取り囲んで堤防を作り、家の入口は低く穴室の中へ下りて行く形になっている所もある。