Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
お勝の母の話によると、このごろ夜が更けると怪しい蝶が飛びあるく。それはお勝らが見たのと同じように、普通の物よりやや大きい白い蝶で、それが舞い込んだ家には必ず何かのわざわいがある。多くは死人を出すと云うのである。
「お母さまがどうしてそんな事を御存じなのでしょう」と、お北は又訊いた。
「それはね」と、お勝は更に説明した。「四、五日前に白魚河岸のおじさんが御年始にきた時に、お母さまに話したので……。八丁堀でも内々探索しているのだそうです」
白魚河岸のおじさんと云うのは黒沼の親類で、姓を吉田といい、白魚の御納屋に勤めている。吉田は土地の近い関係から、八丁堀同心らとも知合いが多いので、その同心の或る者から白い蝶の秘密を洩れ聞いたらしい。してみると、まんざら無根の流言とも云えないのであるが、伝兵衛は飽くまでもそれを否認していた。彼はこんなことまで云った。
「白魚河岸がそんな出たらめを云うのか。さもなければ、この頃はお膝元が太平で、八丁堀の奴らも閑で困るもんだから、そんな、詰まらない事を云い触らして、忙がしそうな顔をしているのだ。ばかばかしい」
こう一と口に云ってしまえばそれ迄であるが、白魚河岸のおじさんは嘘を云うような人ではない。