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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、坂部さんは縄ぬけを正直に云いません。どこまでも旋風に巻いて行かれたように話しているのです。わたくしの方でも大抵は察していますから、野暮な詮議もしませんが、さてどこから手を着けていいか見当が付きません。笠に書いてある川越次郎兵衛、臍緒書の粂次郎、この二人の身許を探るのが先ず一番の近道ですが、今と違って汽車は無し、十里以上も離れた土地になると、その探索がなかなか不便です。

そんな事でぐずぐずしているうちに、それからそれへと御用が湧いて来るので、旅へ出るような暇がありません。もう一つには、その次郎兵衛という奴は気違いらしい。折角苦労して探し当てたところで、やっぱり気違いであったと云うのでは、どうも張り合いがない。坂部さんには気の毒ですが、思い切って働いてみようという気も出ないので、かたがた一日延ばしにもなってしまったのです。ところがあなた……。世の中というものは不思議なもので、その次郎兵衛とわたくしとは、どこまでも縁が離れないのでした」

二

『金の蝋燭』の一件も片付き、ほかの仕事も片付いたのは、四月の二十日過ぎである。少しくからだに暇が出来たので、宇都宮か川越へ踏み出してみようかと、半七は思った。