Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
まあ、そのつもりでお聴きください」
二
この「捕物帳」を読みつづけている人々は定めて記憶しているであろう。この年の四月、半七はかの『正雪の絵馬』の探索に取りかかっていたのである。そのあいだに、この牢破りの一件が出来して、人相書までが廻って来たので、これも打ち捨てては置かれなくなった。
「親分。どうしますね」と、子分の亀吉が訊いた。
「重い軽いを云えば、こっちは牢抜けの重罪で、絵馬の一件とは一つにならねえ」と、半七は云った。「しかし、伝馬町の方はおれ一人に云い付けられた御用じゃあねえ。江戸じゅうの御用聞きがみんなで働く仕事だ。絵馬の方はおれ一人が受け合った仕事だから、この方を先ず片付けなけりゃあなるめえと思う。就いては、おめえと幸次郎は相変らず絵馬の方を働いてくれ。伝馬町の方は松吉や善八に頼むとしよう」
二つの事件が同時に起こるのは珍らしくないので、半七はそれぞれに受け持ちを決めて働かせることになった。半七は双方掛け持ちであるが、一方の『正雪の絵馬』の一件は已に紹介したのであるから、話の筋の混雑するのをおそれて、ここにはいっさい省略し、専ら牢破りの一件に就いて語ることにする。