Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
『正雪の絵馬』も埒が明かない。『吉良の脇指』も片付かない。そこへ又この一件が湧いて来たので、物に馴れている半七も少しうっとうしくなって来た。他人と手柄を争って金蔵を召捕るにも及ばないが、それが長引いて三甚の迷惑をかもすのも可哀そうである。科人の仕返しを恐れて、女と一緒に逃げ隠れるとは、江戸の御用聞きの面汚しであると、頭から叱ってしまえばそれ迄であるが、先代の世話になった義理を思えば、なんとか彼を救ってやらなければならない。まず甚五郎に理解を加えて、芝口の自宅へ戻るように勧めなければならない。
こう思って、半七はその翌日、高田馬場へ出向いた。きょうは朝から晴れて暑くなったが、ここらに多い植木屋の庭が見渡すかぎり青葉に埋められているのを、半七はこころよく眺めた。馬場に近いところには、小料理屋や掛茶屋がある。流れの早い小川を前にして、入口に小さい藤棚を吊ってあるのが白井屋と知られたので、半七は構わずに店にはいると、若い女中が奥の小座敷へ案内した。
「おかみさんはいるかえ」
「おかみさんは鬼子母神さまへお詣りに行きました」
それでは御亭主を呼んでくれと云うと、三十七、八の男が出て来た。