Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
市蔵は子分に送らせると云ったが、まだ明るいので半七は断わって出た。
出るときに、白井屋の亭主を呼んで、半七は小声で三甚の隠れ家を訊くと、今度は亭主も安心して正直に教えた。お浜と甚五郎はここから一丁ほども距れた植木屋新兵衛という者の家に忍んでいるのであった。
馬場に近いところには町屋も続いているが、それが切れると一面の田畑である。そこらには蛙の声がみだれてきこえた。夏の日が落ちても、あたりはまだ薄明るい。半七は迷うことも無しに、植新の門口へ行き着いた。
門に大きい柳が立っている。それを目じるしに立ち寄ろうとして、半七は俄かに立ちどまった。どこから出て来たか知らないが、自分と同じ年頃らしい一人の男がひと足さきに来て、その門口に突っ立っているのであった。ここらの植木屋は厳重に垣を結わないで、表が植木溜めになっているのが多い。半七はその植木溜めの八つ手の葉かげに隠れて、男の挙動をうかがっていると、彼はしばらく内を覗いていたが、やがて柳の下をくぐってはいった。半七も抜き足をして其のあとを尾けた。
唯の家と違って、こういう時には植木屋は都合がいい。半七はそこらに雑然と植えてある立ち木のかげに隠れながら、男のあとに付いてゆくと、彼は入口の土間に立って声をかけた。