Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
迂闊に立ち騒いでは外聞にも拘わるので、ひそかに胸を痛めながら由兵衛はぼんやりと二、三日を暮らしていた。そのほかの事はなんにも知らないと云うのです。
こう云うと、ひどく手鈍いようですが、相当の大家では世間の外聞というものを気にかけます。殊にそれが妾の一件だなぞと云うと、猶さら世間体を気遣うので、伊勢屋の主人もどうしていいか途方に暮れて、まあ黙って成り行きを窺っていたのでしょう。こうなると、主人の由兵衛に科はないわけで、ひとまず自分の家へ下げてやりました」
「下手人はやはり万力ですね」
「万力は野州鹿沼在の者で、それから江戸を立ちのいて、故郷の叔父や兄に暇乞いをした上で、蓮行寺という菩提寺に参詣し、家代々の墓の前で切腹しました。人殺しの罪は逃がれられないとは云いながら、年は若し、出世の見込みのある相撲を、こんなことで殺すのは可哀そうでした。
万力の叔父の甚右衛門は本人の遺言だと云うので、その書置を持って江戸へ出て、深川の伊勢屋へたずねて来ました。万力が甚右衛門に打ち明けたところによると、二十二日に本所の家へ碁盤を受け取りにゆくと、お俊はもう引っ越しの荷作りをしていたが、女中のお直の姿は見えない。