Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
そうして、殊勝らしくひざまずいて礼拝した後、その面をささげて立ち去ろうとした。
「おい、姐さん」
勘太は姿をあらわして声をかけた。
「はい」
女は立ちどまった。その落ち着かない態度が勘太の注意を惹いた。
「おまえさん、何か探していたのかえ」
「夜叉神さまのお面をいただきに参りました」
「でも、なんだか箱のなかを引っかき廻していたじゃあねえか」
「同じお面を頂きますにしても、あんまり古くないのを頂きたいと思いまして……」
「おまえの家はどこだえ」
「麻布六本木でございます」
「商売は」
「明石という鮨屋で……」
「じゃあ、おまえは鮨屋のおかみさんだね」
「はい」
なんという証拠もないので、勘太もその上に詮議の仕様もなかった。さりとてこのまま放してしまうのも残り惜しいように思われるので、どうしたものかと思案していると、あとから来た兼松がずっと進み出た。
「おれはこの女の番をしているから、勘太、おめえはその箱のなかを調べてみろ」
それを聞いて、女の様子が俄かに変った。彼女は二人の間を摺りぬけて逃げ出そうとした。
「ええ、馬鹿をするな」と、兼松はうしろから女の帯をつかんだ。「こっちは男が二人だ。