Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
宿屋の女中らの話は先ずこうである。成程ひどい奴だと半七らも云ったが、お国と清七が合意の心中である以上、表向きには友蔵をどうすることもできないのは判っているので、その上の詮索もしなかった。明くる朝、宿屋を立って、宿のはずれへ来かかると、きのうの男の児が二、三人の友達と往来に遊んでいるのを見付けたので、幸次郎は声をかけた。
「おい、おい。お化けの出る家と云うのは何処だえ」
「あすこだよ」と、男の児は指さして教えた。それは七、八軒さきの小さい茅葺屋根の田舎家で、強い風には吹き倒されそうに傾きかかっていた。その軒さきには大きい槐の樹が立っていた。
どうで通り路であるから、その家の前を行き過ぎながら、三人は横眼に覗いてみると、槐の樹の股に一羽の大きい鵜がつないであって、その足に「うりもの」としるした紙片が結び付けられていた。それを幸いと、善八は立ち寄って呼んだ。
「もし、この鳥は売り物ですかえ」
うす暗い奥にはひとりの男が衾をかぶって転がっていたが、それでも眼を醒ましていたと見えて、直ぐに半身を起こして答えた。
「むむ、売り物だよ」
「幾らですね」
「三歩だよ」
「高けえね」