Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
そいつは荒鵜のなかでも荒い奴だから、うっかり傍へ寄って喰い付かれても知らねえぞ。馴れている俺でさえも怪我をした」
云い捨てて彼は奥へはいってしまった。もう相手にならないと見て、半七は挨拶をしてそこを立ち去った。
「あいつが友蔵か。成程、可愛くねえ奴らしい」と、幸次郎はあるきながら云った。
「善ぱが詰まらねえひやかしをするので、あんな奴にあやまる事になった」と、半七は笑った。
「本当に幽霊が出るか出ねえか知らねえが、あんな奴のところへ出たら災難だ。幽霊に肩を揉ませるか、飯を炊かせるか、判ったものじゃあねえ」
三人はその日の午過ぎに江戸へ帰り着いた。新宿で遅い午飯を食って一と休みして、大木戸を越して四谷通りへさしかかると、塩町の中ほどで幸次郎は急に半七の袖をひいた。
「もし、親分。和泉屋というのはそこですよ」
そこには和泉屋という暖簾をかけた呉服屋が見えた。悪い奴に引っかかって、大事の息子を心中させて、気の毒なことをしたと思いながら、半七はそっと覗くと、四間間口で、幾人かの奉公人を使って、ここらでは相当の旧家であるらしく思われた。これだけの店の息子が二十両や三十両のことで命を捨てるにも及ぶまいにと、半七はいよいよ気の毒になった。