Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
そうして、その屋敷にいるお近という女と親しくなったと云うのも、世にありそうなことである。唯その幸之助が留吉の虜とならずに、どこへ姿を隠したか、それを詮議しなければならないと吉五郎は思った。
彼はそれから京橋へ足を向けて、白魚河岸の吉田の家をたずねた。勿論、玄関から正面に案内を求めるわけには行かないので、彼は気長にそこらを徘徊して、その家から出て来る中間や女中らを待ち受けて、いろいろにかまを掛けて探索したが、幸之助は実家にひそんでいないらしかった。
「燈台下暗しで、やっぱり佐藤の屋敷に忍んでいるかも知れねえ」
吉五郎はいったん神田の家へ帰って、ゆう飯を食って更に出直そうとするところへ、留吉が忙がしそうにはいって来た。
「親分、出かけるんですかえ」
「むむ。今夜はおれが音羽へ出かけて、張り込んでみようと思うのだ」
「それじゃあ行き違いにならねえで好かった。実は又ひとつ事件が出来してね」と、留吉は眉をひそめた。
「黒沼の家の娘が死んだそうで……」
「家付き娘だな」
「そうです。お勝といって、ことし十八になります。親父が死んで、幸之助を急養子にしたんですが、お勝は病気で寝ているので、祝言も延びのびになっているうちに、幸之助は家出をして帰らない。