Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
長八は更に我が子にむかって、探索の心あたり四、五カ所を云い聞かせると、長三郎は委細こころえて、父の前を退いた。そうして、直ぐに表へ出る支度をしていると、母は幾らかの小遣い銭を呉れて、その出ぎわに又ささやいた。
「お父さまはああ云っているけれども、なにしろ総領むすめなんだからね。おまえに取っても姉さんなのだから……」
長三郎は無言でうなずいて出たが、なにぶんにも困った役目を云い付かったと、彼は悲しく思った。
姉を庇う母の心はよく判っているが、この場合、一刻も早く姉をさがし出して、なんとかその処分をしなければ、父の身分にも関わる、家名にも関わる。たとい母には恨まれても、姉を見逃がすようなことは出来ない。もし幸之助が一緒にいて、なにかの邪魔をするときは、父の指図通りにしなければならない。白い蝶の探索については、彼も一種の興味を持っていたが、今度の探索はなんの興味どころか、単に辛い、苦しい役目というに過ぎなかった。
それでも彼は奮発して出た。勿論、どこという確かな目当てもないのであるが、さしあたりは父に教えられた心あたりの四、五カ所をたずねることにした。