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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

と云ったら大抵お察しも付くでしょうが、一本の蝋燭が六本になっていたんです。本当に返す積りであったのか、それとも他に思惑があったのか、その辺はよく判りませんが、なにしろ追っかけて行ってみると、男は峠の中途に倒れて苦しんでいる。病気が再発したらしいので、木の蔭へ引っ張り込んで介抱しているうちに、宗兵衛は腰にさげている手拭をとって男を不意に絞め殺した上に、残りの蝋燭をみんな引っさらって来たというわけです。これには女房も驚いたが今さら仕方がない。夫婦はその晩のうちに旅支度をして、六本の蝋燭をかかえて夜逃げをしてしまったんです。

それからひと先ず京都へ行って、どういうふうに誤魔化したか、ともかくも一本の蝋燭の芯を売って通用の金に換え、それを元手にして二年ほど何か商売をやっていたんですが、その商売が思うように行かなかったのか、何かのことで足が付きそうになったのか、京都を立ちのいて江戸へ出て来て、浅草の田町で金貸しを始めることになったんです。吉原に近いところですから、小金を借りに来る者もあって、商売は相当に繁昌したんですが、相手が相手だから貸し倒れも多い。おまけに宗兵衛は江戸の水に浸みて、奥山の茶屋女に熱くなるという始末だから、夫婦喧嘩の絶え間が無いばかりか、宗兵衛のふところも次第にさびしくなる。