Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
女はあっと驚いて立ちあがると、鶏は口嘴を働かせ、蹴爪を働かせて、突くやら蹴るやら散々にさいなんだ。女は悲鳴をあげて逃げまわるのを、かれは執念ぶかく追いまわした。
それを見て、店の男や女もおどろいて、彼らは鶏を叱って追いやろうとしたが、かれは狂えるように暴れまわって、あくまでも女を追い搏とうとするのである。半七も庄太も見かねて立ちあがると、女は逃げ場を失ったように庄太のうしろに隠れた。鶏は五、六尺も飛びあがって、又もや女を搏とうとするので、半七は持っている煙管で一つ撃った。撃たれて一旦は土間に落ちたが、かれはすぐに跳ね起きて又飛びかかって来た。その燃えるような眼のひかりが鷹よりも鋭いのを見て、半七もぎょっとしたが、この場合、なんとかして女を救うのほかは無いので、手早く羽織をぬいで鶏にかぶせると、店の者も駈け寄った。男のひとりは伏せ籠を持って来て、暴れ狂う鶏をどうにか斯うにか押し込んだが、かれはその籠を破ろうとするように、激しく羽搏きして暴れ狂っていた。
不意の敵におそわれて、女は真っ蒼になっていた。くちばしに刺されたのか、蹴爪に撃たれたのか、彼女は左右の脚を傷つけられて、白い脛からなま血が流れ出していた。