Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
「おかみさんは少し体を悪くいたして、あちらに臥せって居りますので、御用はわたくしに承われと申すことでございます」と、番頭は丁寧に頭を下げた。
「ごもっともです」と、徳次も挨拶した。「いろいろと心配事が重なって、おかみさんも弱りなさる筈だ。そこで番頭さん。若いおかみさんの行方はまだ知れませんかえ」
「知れたと申しましょうか、知れないと申しましょうか。実はおとといの夕方、品川の弥平さんというお人が見えまして……」と、番頭は云った。「その人が前の晩に舟を出して、品川の海で海鰻の夜釣りをしていたそうでございます。そこへ一人の女の死骸が流れてまいりましたので、気味が悪いと思いながらも舟を寄せて、その袂をつかんで引き寄せようとすると、袂は切れて……。片袖だけが其の人の手に残って、死骸はまた流れて行ってしまったそうです。これも何かの因縁だろうから、その片袖を自分の寺に納めて、御回向でもして貰おうと思っていると、その晩の夢にその女が枕もとへ来て、その片袖は北新堀の鍋久へおとどけ下さい、きっとお礼を致しますからと、こう云って消えてしまった。お礼などはどうでもいいが、余りに不思議だからお問い合わせに来ましたと云って、出して見せたのは確かに若いおかみさんの品で……」