Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
ていると覚悟はしていたが、さてこうなると悲しい、情けない。わたしのような者でも不憫と思って、今まで通りに逢ってくれるか、それとも愛想を尽かしてこれぎりにするか、その返事次第でわたしにも料簡があると、こう云うんです。嫌だと云ったら、いきなり喉笛にでも啖いつくか、帯のあいだから剃刀でも持ち出すか、どの道、唯はおかないという権幕ですから、どうにもこうにもしようがなくなって、わたくしも一時逃がれの気やすめに、きっと今まで通りに逢うという約束をしてしまいました」
かれは茶碗の水を又ひと口のんで、しばらく息を休めていた。
六
その後の成り行きについて勝次郎はこう訴えた。
かれは一時逃がれの気やすめを云って、その晩はともかくも化け物のような女から放たれたが、色も慾も消えうせて、もう二度とかの女に逢う気にもならないので、あくる晩は約束にそむいて清水山へ出かけて行かなかった。しかもなんだか自分の家にはおちついていられないので、かれは近所の女師匠のところへ遊びに行って、四ツ(午後十時)を合図に帰ってくると、家のまえにはかの女が幽霊のように立っていた。勝次郎はひとり者で、表の戸をしめて出たので、女はその軒下にたたずんで彼の帰るのを待ちうけていたのである。