Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
「みんなわたくしの出入り場ですが、どうもそんな女のいる家はなかったようですね。尤も、雑司ヶ谷だけは今度はじめて仕事に行ったんですが、顔に痣のある女……。そんな女は一度も見なかったと思います。それでも、まあ念のために若い者にきいてみましょう」
かれは門口にあつまっている職人や小僧を呼んで、痣の女を詮議したが、だれもそんな女を知らないと云うので、半七は少し失望した。それでも雑司ヶ谷の仕事先について、棟梁や職人たちの知っているだけのことを残らず聞き取って帰った。帰る途中で、半七はきのうから今日にかけて探りあつめた種々の材料を、胸のなかでいろいろに組みあわせて考えた。そうして、それがどうにか順序よく組み立てられたように思われたので、かれの胸もだんだんに軽くなった。袋の物をつかむというまでには行かないでも、かれは爪先にころがっている物を見つけたぐらいの心持になった。
七
半七は家へ帰っていると、正午すぎになって子分の多吉が先ず帰って来た。かれは善八と手わけをして、ゆうべから日本橋二軒と深川一軒とを調べあげて来たのである。しかしその報告には半七の注意をひくほどの材料はなかった。