Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
それを見ている両替屋の店の者も、通りがかりの人達も、これは世間によくあることで、道楽息子が家の金を持ち出したのを、おふくろか叔母さんが追っかけて来て、取り返して行ったのだろうと思って、誰もそのままに眺めていると、倒れた男はいつまでも起きないので、不思議に思って引き起こすと、男は気を失っているらしい。さあ、大騒ぎになって介抱すると、男はようよう息を吹き返したのですが、よくよく訊いてみると、自分をつかまえて文句を云った女は、まるで知らない人間で、そんなことを云って一両の小判を掻っさらって逃げたのだそうです。何か道楽息子を叱り付けるようなことを云って、そこらの人たちに油断させて、平気でまっ昼間、大通りの店さきで掻っ攫いを働くとは、女のくせに実に大胆な奴じゃあありませんか」
「成程ひどい奴ですね」と、松吉はうなずいた。「それにしても、相手は女だというのに、その若い男がどうして素直に金を渡したのでしょうね」
「それが又不思議なことには、その女が男をひき摺り倒すときに、なんでも頸筋のあたりの脈所を強く掴んだらしいので、男は痛くって口が利けない。おまけに脾腹へ当て身を食わされて、気が遠くなってしまったのだそうです。