Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
ところが伊之助には坂井屋のお糸という女が付いている。お糸は年も若し、渋皮のむけた女ですから、お此は何とかしてこれを遠ざけて、男を自分ひとりの物にしようと内心ひそかに牙をみがいているうちに、外国の軍艦が品川へ乗り込んで来て、イギリスが一艘、アメリカが一艘、いずれも錨をおろしました。
幕府はもう開港の運びになっているんですから、戦争になるような心配はありません。軍艦の水兵らは上陸して方々を見物する。しかし、江戸市中にむやみにはいることを許されませんでしたから、高輪の大木戸を境にして、品川、鮫洲、大森のあたりを遊び歩いていました。品川の貸座敷などを素見すのもありましたが、その頃はどこでも外国人を客にしません。料理屋でも大抵のうちでは断わる。ところが、鮫洲の坂井屋では構わずに外国人をあげて、酒を飲ませたり料理を食わせたりするので、世間の評判はよくないが、店は繁昌する。相手は船の人間で、遠い日本まで渡って来たんですから、金放れはいい。坂井屋はこれらの外国人を相手にして、いい金儲けをしたに相違ありません。その給仕に出る女中たちも相当の金になったわけです。
坂井屋では決してそんな事はないと云い張っていましたが、女中のなかには船の連中と関係の出来たものもあったらしいんです。