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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

二人は一杯機嫌でお此にからかって、その袂などを引っ張るので、お此はうるさいのと癪に障るのとで、一つ嚇かしてやろうと思って、袂から西洋マッチをとり出して、手早く摺りつけて二、三本飛ばせると、二人は火が飛んで来るのにびっくりして、忽々に逃げ出した。そのマッチは黒船のお客から貰って、お此が袂に入れていたんです。今から考えると、実に子供だましのような話ですが、マッチというものを知らない時代には、火の玉がばらばら飛んで来るのに胆を潰したわけです」

「成程、ズウフラ怪談ですね」

「探偵話にほんとうの凄い怪談は少ないもので、種を洗えばみんなズウフラ式ですよ」と、老人は笑った。「さてその噂が忽ちぱっと拡がって、鈴ヶ森の縄手に狐が出るという評判になりました。その狐は黒船の異人が放したのだなぞと云う者もある。現にその前年、即ち安政五年の大コロリの時にも、異人が狐を放したのだという噂がありました。そこで、今度の狐も品川の黒船から出て来たというような噂が立つ。それを聞くと、お此はおかしくってたまらない。一体、犯罪者には一種の茶目気分のある奴が多いもので、お此も世間をさわがすのが面白さに、それを手始めにマッチの悪戯をちょいちょいやる。