Japanische Klassiker mit Furigana
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とけいとまどのはなし
時計と窓の話
小川 未明
Lesen Sie 時計と窓の話 (とけいとまどのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.803 Zeichen · 10 Bildschirme
」と、父にむかって、いうと、
「いや、時計は、時間を見るものだ。かざっておく、こっとう品ではない。もうちっと、待っておいで、いいのを買ってやるから。その前に、おまえのへやを直したいと思っているのだ。」と、父が、いいました。
それというのは、ことし三年生になった妹が、まだ自分のすわる机を持っていないので、いつも茶の間のちゃぶ台や、えんがわで、かばんから本を出して、勉強しているのを見て、母は、かわいそうに思って、
「よし子ちゃんにも、一つ机を買ってやらなければ。」と、いったことがありました。父も、
「正吉のいる、四畳半で、二人が勉強するにはすこし暗すぎるから、新しく窓をつけてやりたい。」と、母に話しているのを聞きました。
「時計よりか、へやの明るくなるほうがうれしいです。」と、ぼくは、いって、なぜ早く、妹のことを考えてやらなかったろうと、自分をはずかしく感じました。
「大工のつごうで、すぐにしてやるよ。」と、父がいいました。思いがけない二つの喜びが、一時にやってきたようで、私の胸はおどりました。
「こんなに、私たちのことを思ってくださるのか。」と、心のうちで感謝したのです。