Japanische Klassiker mit Furigana
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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
Lesen Sie 時計屋敷の秘密 (とけいやしきのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.481 Zeichen · 74 Bildschirme
五井が合図に、綱をひいて、それからむこうを向いて、せまい階段をのぼりだした。なにが、この時計台の上に待っているだろうか。
四少年の影法師が大きく壁にゆらぐ、みんなの足音が、気味わるく反響する。
ふいに、頭の上にばたばたと音がして、こっちへとびついて来たものがある。
「あッ」
「出たぞ」
大きな鷲のような影が、壁にうつった。
「コウモリだ。心配するな」
一番下にいる四本が、声をはげましていった。
「なんだ、コウモリか」
五井が持っていた竹の杖をぴゅうぴゅうふりまわす。すると、さわぎはさらに大きくなった。コウモリは一ぴきではないらしい、四五ひきはとんでいるようだ。
「コウモリがいるくらいなら、あとは大したものがいないだろう」
四本が、そういった。
「ほんと、きっと、外に何にもいないんだね」
四本の前の二宮が、ふりしぼったような声でたずねた。
「まあ、多分そうだろう。しかし五井君の方を注意していた方がいいよ」
「ああ、そうだ」
二宮の足は重いらしく、四本のすぐ前で立ち停りそうな足どりである。
「上まで来たよ、何にも出てこないや」
五井の声が、上の方で安心したような響きをつたえる。