Japanische Klassiker mit Furigana
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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
Lesen Sie 時計屋敷の秘密 (とけいやしきのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.481 Zeichen · 74 Bildschirme
金額はいろいろとうわさされたが、とにかくヤリウスの家扶の門田虎三郎は、左平から金を受取ると、屋敷を明けわたして出ていった。
大よろこびの左平だった。
さっそく家族をつれて、この屋敷へひっこした。妻君のお峰と一人娘の千草と、あとは雇人が十人近くいた。
左平のとくい顔が見られたのは、それから半年あまりの間だった。そのあとは、左平の顔には何だかやつれの色が見え、そして何事かについてあせっているようだ。
それを村人がしんぱいして、それとなくわけをたずねたが、左平はいつもかぶりをふって、
「何も、しんぱいなぞしていない、そんな話はもうごめんだ」
と、耳を貸すのもきらった。
その左平は、ちょうど一年ほどたって、時計台の天井にひもを下げ、自分の首をくくって死んだ。遺書があった。
「いのちがおしいものは、この屋敷に近よるな。左平」
と、かんたんな文句がしたためられてあった。
左平の自殺を見つけたのは、雇人の喜三という老人だったが、そのしらせに村人がこの屋敷へかけあつまったとき、さらにへんな話を聞いた。
それはこの一ヶ月ばかり、奥様も千草も共に雇人たちに顔を見せず、そのことを旦那さまの左平にいうと、左平のきげんがたいへんわるかったとのことだった。