Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とけいやしきのひみつ

時計屋敷の秘密

海野 十三

Lesen Sie 時計屋敷の秘密 (とけいやしきのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.481 Zeichen · 74 Bildschirme

Aozora Bunko

水地獄

八木君は、もう一度、一番奥の重い鉄扉のところへいってみた。

いろいろやってみたが、扉はびくともしない。たたけば、こっちの手が痛くなるだけであった。八木君は、あきらめた。

ただこのとき、彼は一つの発見をした。扉の上に、うき彫りになって、牡牛がねそべり、そしてその牡牛はこっちを向いて、長い舌を出しているのが、とりついていることだった。八木君は、むりをして、扉の一角に足をかけて、扉の上までのぼってみたのである。

この牡牛のうき彫りが、単なる装飾であるのか、それとも何か外に意味があるのか、そのとき八木君には答を出している余裕がなかった。

次の手は、ガラス天井を破ることであった。ガラスはそうとう厚いようであるから、ジャック・ナイフしか持っていない彼に、はたして破れるかどうか、見込みはうすかった。

このとき水かさはまして、八木君の乳のあたりから下をひたしていた。いやな思いである。もう五十センチも水かさが増せば、いやでも土左衛門だ。働くのは今のうちだ。

八木君は、ガラス天井の下で、かたわらの土壁へジャック・ナイフをたてて、土を掘りだし、足場を作りはじめた。