Japanische Klassiker mit Furigana
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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
Lesen Sie 時計屋敷の秘密 (とけいやしきのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.481 Zeichen · 74 Bildschirme
と、どっと濁水が侵入してきた。
怪人は鉄の棒を放りだして、ガラス天井に腹ばいになると、岩がなくなって出来た穴の中へ、細い長い腕をつっこんだ。
間もなく、怪人は、
「おおッ」
と、うなった。そして全身の力をこめて、穴から何か引っぱりだした。もちろんそれは八木少年の身体であった。
少年のずぶぬれになった上半身が、穴から出て来た。
怪人は、ぎりぎりと歯ぎしりをしながら、両手をつかって少年の身体を、なおも引っぱり出した。
それは成功した。
八木少年は、意識をうしなったままではあるが、濁水から完全に救いだされ、ガラス天井の上にびしょぬれの身体を横たえた。
怪人は、よほどつかれたと見え、八木少年のそばにどんと尻餅をつき、はっはっと大きく呼吸をはずませた。そのとき、怪人は苦しい呼吸をつくために、顔をあげた。すると彼が顔につけているお面がはじめてはっきり見えた。それは見るからにおそろしい死神のお面であった。まわりを黒い布でつつみ、その奥に、半ば骸骨になった死神の顔がのぞいている――というマスクであった。
何人であろうか、こんなおそろしいお面をつけて、こんなところに鉄のくさりでつながれているのは。