Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ばんきく

晩菊

林 芙美子

Lesen Sie 晩菊 (ばんきく) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.998 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

角帽の頃の匂う水々しさは失せているけれども、頬のあたりがもう中年の仇めかしさを漂わせて、品のいい表情はないながらも、逞ましい何かがある。猛獣が遠くから匂いを嗅ぎあっているような観察のしかたで、きんは、田部にも茶を淹れてやった。「ねえ、近いうちにお金の切りさげってあるって本当なの?」きんは冗談めかして尋ねた。「心配するほど持ってるンだな?」「まア! すぐ、それだから、貴方って変ったわね。そンな風評を人がしてるからなのよ」「さア、そンな無理なことはいまの日本じゃ出来ないだろうね。金のないものには、まず、そンな心配はないさ」「本当ね……」きんはいそいそとウイスキーの瓶を田部のグラスに差した。「ああ、箱根かどっか静かなところへ行きたいな。二三日そんな処でぐっすり寝てみたい」「疲れてるの」「うん、金の心配でね」「でも、金の心配なンて貴方らしくていいじゃアありませんの? なまじ、女の心配じゃないだけ……」田部は、きんの取り澄しているのが憎々しかった。上等の古物を見ているようでおかしくもある。一緒に一夜を過したところで、ほどこしをしてやるようなものだと、田部は、きんのあごのあたりを見つめた。