Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちえこのはんしょう
智恵子の半生
高村 光太郎
Lesen Sie 智恵子の半生 (ちえこのはんしょう) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.697 Zeichen · 25 Bildschirme
を承認したのも、其頃画いた祖父の肖像画の出来栄が故郷の人達を驚かしたのに因ると伝え聞いている。この油絵は、私も後に見たが、素朴な中に渋い調和があり、色価の美しい作であった。卒業後数年間の絵画については私はよく知らないが、幾分情調本位な甘い気分のものではなかったかと思われる。其頃のものを彼女はすべて破棄してしまって私には見せなかった。僅かに素描の下描などで私は其を想像するに過ぎなかった。私と一緒になってからは主に静物の勉強をつづけ幾百枚となく画いた。風景は故郷に帰った時や、山などに旅行した時にかき、人物は素描では描いたが、油絵ではついにまだ本格的に画くまでに至らなかった。彼女はセザンヌに傾倒していて自然とその影響をうける事も強かった。私もその頃は彫刻の外に油絵も画いていたが、勉強の部屋は別にしていた。彼女は色彩について実に苦しみ悩んだ。そして中途半端の成功を望まなかったので自虐に等しいと思われるほど自分自身を責めさいなんだ。或年、故郷に近い五色温泉に夏を過して其処の風景を画いて帰って来た。その中の小品に相当に佳いものがあったので、彼女も文展に出品する気になって、他の大幅のものと一緒にそれを搬入したが、鑑査員の認めるところとならずに落選した。