Japanische Klassiker mit Furigana
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あらしのなか
暴風雨の中
山本 周五郎
Lesen Sie 暴風雨の中 (あらしのなか) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.339 Zeichen · 30 Bildschirme
そのとき三之助は六つ、末っ子の伊三郎は二つだった。珍しいことではない、母親と四人の子はその日から生活に追われだした。八つになるよねは子守りに出し、いちと千吉とは佃煮と貝の行商を始めた。
「おめえはいつも放っておかれた」と男は云った、「おふくろは千吉と一緒に伊三郎を背負ってでかける。おめえだけは家に残された。まわりは漁師町、遊びなかまは乱暴でだらしのない連中が多い、これで悪くならなければふしぎなくらいだ」
三之助は悪童だった。佃でも築地河岸の方でも、たちまち名を知られ、爪はじきをされるようになった。そのままいたら、やがては島から追い出されたにちがいない。彼は職人になるのだといって、十二の年に茅場町の「指金」へ弟子入りをした。指金はそのころ江戸でも名うての指物職だったが、三之助は半年そこそこでとびだし、両国橋の「船辰」という船宿へころげ込んだ。それからは喧嘩と賭博で、十七八のときにはもう、佃の三之助ととおり名が付いていた。
「兄貴の千吉は漁師になった」と男は続けて云った、「今でも佃島でまじめに漁師をしている、およねも漁師の嫁になった、末っ子の伊三郎は桶屋の職人で、これも世帯をもっている、ぐれたのはおめえだけだ、船宿の船頭ではいい腕だそうだが、喧嘩と博奕はやまず、女でいりはやまず、こんどはとうとう人をあやめるという