Japanische Klassiker mit Furigana
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あらしのなか
暴風雨の中
山本 周五郎
Lesen Sie 暴風雨の中 (あらしのなか) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.339 Zeichen · 30 Bildschirme
きょうだいが別れ別れになったり、裸で街へ放りだされた者が、どのくらいあるか親方は知っちゃあいめえ、それだけじゃあねえ、あいつに金が返せねえために、あいつの長屋で首を吊った婆さんがあった、久松町では大川へ身投げをしたかみさんがいる、ついこのあいだも、あいつの長屋で娘が一人、身を売られるのがいやさに井戸へとび込んで死んだ、……おれの知っているだけでも、あいつのために三人の人間が死んでるんだ、刃物こそ使わねえが、あいつは三人も人を殺してるんだ、あいつこそ人殺しだ」
「それがおめえとなんの関係がある」男が云った、「油屋がもしそんな非道なことをしたんなら、された当人がお上へ訴えて出ればいいんだ、おめえなんぞの知ったことじゃあねえんだ」
「当人に訴えて出ろって」
「そのためにお上というものがあるんだ、しんじつ仁兵衛が悪人ならお上で放っておきゃあしねえ」
「だって爺いは放っておかれたぜ」
「それは油屋が御定法に触れなかったからよ、法に触れるようなことをしねえのに、ただ強欲というだけで繩をかけるわけにはいかねえ」
「そうらしい、そういうものらしい」
三之助の唇が少しあいて、それが見えるほどもふるえた。