Japanische Klassiker mit Furigana
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どんてん
曇天
宮本 百合子
Lesen Sie 曇天 (どんてん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.546 Zeichen · 4 Bildschirme
毎日毎日の真面目な努力も、、何の甲斐のない様に感じられて、こんなで居て、まとまったものを出版したいなどと云うのは、あまり思いあがりすぎて居るのではあるまいかと云う様になって仕舞う。
此頃の様に、或る一つ事に対しての興味が、単に趣味と云うより以上のものに進んで来ると、その間に、又一歩進んだ嬉しさと、苦痛がある。
それが幸福でもあり不幸でもある。
私共の周囲の多くの人々の様に只生きてのみ居る事は、到底私に堪え得ないのを思えば、その瞬間毎に変化する複雑な悲哀と、歓喜を持つ事が快くもある。
モーンフル、メモリーとでも呼びたい様な、重い沈んだ気持で、陰の多い部屋に静座して居るのも、顔の熱くなる様な興奮に身をまかせて、自分の眼に写るすべての物を、美くしく、快活に明らかに見るのも共によいものである。
S子の様に、とりとめのない悲しさに(それは、私共の眼から見ればまことに幼いようではあるけれ共)、その日その日を味気なく送って居る人も、
K子の様に、ああした境遇に自分の好みで落ちて行く人も、皆この地球と云う丸い動く球の上にのって居るのだと思うと、地球と云う者の度量の広さと、寛容さが面白い。