Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうや
曠野
小川 未明
Lesen Sie 曠野 (こうや) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.963 Zeichen · 6 Bildschirme
」
旅人は、子供の時分、釣りにいって、疲れた足を引きずりながら帰ったとき、また学校の帰りにけんかをして、先方はおおぜいだったとき、そんなときでさえ、あちらに、親しい松の木が見えると、もう家に着いたような気がして、急に勇気が百倍したことなどを思い出したのでした。そして、しばらく彼は、遠い昔の空想にふけっていましたが、あまり涼しいので、いい気持ちになって、そのまま木の根をまくらにして横になったのであります。
海のように、青い、青い空を、旅人はぼんやりと仰向けになってながめていました。小さな白い雲、ややそれよりも大きい雲、ほんとうに大きな白い雲、いくつかの雲が鬼ごっこでもしているように、追いつ、追われつしていました。
旅人は、このとき、忘れていた幼友だちの名まえと、顔つきをはっきりと思い出したのでした。そればかりでなく、自分もその仲間にはいって、いっしょに走りっこをしている姿を目に見たのであります。
「みんな、あの時分の友だちはどうしたろうな。」
そのうちに、いつしかいびきをかいて、ぐうぐうと眠ってしまいました。
松の木は、旅人のひとりごとをきいて、自分とよく似た木が、この地上のどこかに存在していることを知ったのです。