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Japanische Klassiker mit Furigana

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かけないたんていしょうせつ

書けない探偵小説

夢野 久作

Lesen Sie 書けない探偵小説 (かけないたんていしょうせつ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.117 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

ところがその娘が或る日、崖の縁端を散歩しているうちに突然に強い力で突落された。落ちる途中で一回転した拍子に、崖の上から並んで覗いている青年探偵と母親の、揃いも揃った冷酷なニコニコ顔が見えた。

それからその娘の頭が、崖の下の岩角に触れる迄の何秒かの間に、今までの一切の不可思議がグングン氷解して行った。その何秒かの間の彼女の回想の高速フィルムの全回転が、そっくりそのまま驚愕と、恐怖に満ち満ちた長篇小説として書けないものであろうか。

傴僂の隠亡が居る。

人跡稀な山奥の火葬場で人を焼く序に、棺桶を発いて目ぼしいものを奪い取る。中には棺の中で蘇生している人間も居るが、そんな人間は介抱して正気付かせて、生前の秘密をスッカリ喋舌らせてから又撲殺して焼いてしまう。そうしてその死人の遺族を脅迫して金を奪い取り、巨万の富を重ねる。

そのうちに美しい令嬢の失恋自殺屍体が生き返っているのを発見して自分の妻にしてしまう。隠亡をやめて遠国に住んで、美しい妻と共に一生を楽しく暮す。

その思い出話といったようなものが、一千一夜式に書けないものだろうか……。

何かと書いて来るうちに、お約束の六枚になった。