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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょをあいしてしょをもたず

書を愛して書を持たず

小川 未明

Lesen Sie 書を愛して書を持たず (しょをあいしてしょをもたず) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.379 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

本の包みを抱いて帰る道すがら、また、その二三日というものは、強い味方が自分に付いているような気がしたが、たま/\友達のところへ遊びに行って、同じ本を机の上にながめた時、いまゝでの興奮はどこへやら消えてしまったのでした。

そればかりでありません。同じような本を誰彼の処で見出した時、「みんなが流行を追うているんだな」と、あまり自分達に個性がなさすぎるのが悟られて、反動的に、自己憎悪を感じたのでありました。

事実、面白いといわれたので、自分に少しも面白くないものがあります。その文体が、そこにあらわれた趣味、考え方が、どうしても、ぴたりと心に合致しないのです。私は、書物は独立した一個の存在であると信じています。そこには、著者の個性があり、また感情があります。従って、これを好むと好まざるとは、互の素質に因らなければなりません。殊に、文学や、芸術に関するものに於て、このことがいわれます。

ある種の文体は、それを好む人達にとって魅力があるにしても、ある人々にとっては、全く縁なきものであります。一行、一句にも心を捕えられ、恍惚として、耽読せしむるものは、即ち知己であり、その著者と向志を同じくするがためです。