Japanische Klassiker mit Furigana
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しょもつをあいするみち
書物を愛する道
柳田 国男
Lesen Sie 書物を愛する道 (しょもつをあいするみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.750 Zeichen · 12 Bildschirme
ところが所謂馬糞紙の箱に入れる風が始まって、菊判四六等々の大きさ以外に、外から本の性質を見当づける途が先ず無くなり、次で文庫が始まってどれも是も川原の小石の如く、手に取って細字の標題を読まなければならぬようになった。そうして其序を以てほんの二三頁だけはぐっと読むので、本屋の店先は非常に植木店や半襟小切れ類を売る店先と近い光景を呈するようになり、口絵が重んぜられ、著者は又標題のつけ方に大きな苦心を払うようになった。必ずしも西洋の真似では無いが、立見で見当のつくものだけが多く買われ、書名を記憶する代りに著者の名ばかりがよく通用して、人気は一段と怖ろしいものになったのである。心の養いになるかならぬかが、そんな事をして確かめられるものでないと思うが、其議論は今はしない方がよい。とにかく是ほど数多い日本の古書が、僅か三十種か四十種以外、誰にも省みられなくなった原因は特色の没却、即ち文庫それ自身の外形の単調化に、在ったということまでは考えて見る必要がある。
それから今一つ、古人が大きな損をして居る点は、文体の急激な変化ということにも在る。是は或は普通教育の革命と謂ってもよいかと思うが、以前の読書人の素養は漢学に拠って居た。