Japanische Klassiker mit Furigana
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つきのせかいたんけんき
月世界探険記
海野 十三
Lesen Sie 月世界探険記 (つきのせかいたんけんき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.351 Zeichen · 29 Bildschirme
蜂谷艇長の巧みな指揮が、幸いにエンジンを誤らせることもなく、無事に危険帯を通過させたのだった。乗組員四名――いやいまは五名である――は、ホッと安堵の胸をなで下ろした。
やがて地球を出発してから十二日目、いよいよ待ちに待った月世界に着陸するときが来た。ここでは月は、まるで大地のように涯しなく拡がり、そして地球は、ふりかえると遥かの暗黒の空に、橙色に美しく輝いているのであった。
「さアいよいよ来たぞ」と艇長はさすがに包みきれぬ喜色をうかべて云った。「じゃ大胆に『危難の海』の南に聳えるコンドルセに着陸しよう。皆、防寒具に酸素吸入器を背負うことを忘れないように。……では着陸用意!」
「着陸用意よろし」
猿田飛行士は叫んだ。彼はすっかり隙間のないほど身固めし、腰にはピストルの革袋を、肩から斜めに、大きな鶴嘴を、そしてズックの雑袋の中には三本の酒壜を忍ばせて、上陸第一歩は自分だといわんばかりの顔つきをしていた。
「……着陸始めッ……」
艇は速度をおとし、静かに螺旋を描きながら、荒涼たる月世界に向って舞いおりていった。
「ねえ蜂谷さん。着陸してから、どうなさるおつもり」